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Posted by チェスト at

2009年12月17日

定価のない本

[書名] 特許植民会社制度研究 上下2冊 経済資料第10巻3号4号
[解説] A五
[著者] 南満州鉄道
[出版元] 東亜経済調査局
[価格] 秘密
[刊行年] 大正13
[冊数] 2冊
[お届け先] 滋賀県

定価のある本、ISBNがついている本は、さほど面白味がない。このように定価のない冊子と
いったものが好きである。あるいは紙切れとか。



もちろん、この冊子に定価があったとしても半額にはしないどころか何千倍、何万倍の
価格をつける。

古本屋同士の飲ん方の時に出た話。
新聞記者の取材で「この店の本の値段は、だいたい定価の何割引か」と聞かれ、早速、
大喧嘩になったそうな。

「2008年の経済はこう予測する」は賞味期限切れ、「2009年の運勢本」はあと2週間の命。
実は、本には賞味期限がある事が結構多い。「チーズはどこへ消えた」なんかはリサイクル
書店に、105円でウンザリするほど出現している。

結局、古本屋が古本として残す本は、ISBNなど無い本になってしまう。
「世界怪物怪獣大全集」という雑誌に何万円も値付けしたり(最近復刻されたザンネン!!)、明治
の双六や、大正昭和初期の子ども雑誌の付録に1枚3万円と値付けすることもある。

そんなものが多いから、定価の何割引なんてとても答えられない。
古本屋を営むと、それは当たり前なんだけど、分からない人には分からない。

デパート催事では、定価と古本価格のことで、しばしば「サギ師か」と言われていた。

こう言われるのも、古本屋の仕事のうちなのだろうけど「当たらずとも的当り」の気持ちにも
なってくる…?



  

Posted by Kosho Liset at 05:06Comments(0)ご注文品