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Posted by チェスト at

2009年12月29日

一年の計は簡単に

[書名] ダイアナ・ロス自伝
[解説] カバ
[著者] ダイアナ・ロス 板倉克子訳
[出版元] 東亜音楽社
[価格] 秘密
[刊行年] 平成7
[お届け先] 千葉県

今年最後の発送。



ロスばかりの一年でしたが、いい思い出もたくさん出来ました。

1月は「更紗屋雑貨店」さんに、娘をヨーロッパに連れて行っていただいた。
2週間の体験は、種を1つ持って帰ってきてくれたみたい。
きっと、花が咲くと思う。

4月は、かごしまメルヘン館さんの「一箱古本市」
隣のおじさんが持ってこられた本が、全く古本屋好みの本ばかりで。
遊びに来た、『古書廣文館』さんもニコニコしていました。

9月、10月は、「金生町」「宮崎」「さつま川内」「霧島」の山形屋デパート
『MONOフェア』に参加させていただいた。
宮崎は、『KINENBI、NEST COFFEE』さん家族と、LISET家族で修学旅行のよ
うな、子どもたちも楽しかったようでした。
さつま川内では、『ジン・アキヒロ』さんの木製カップを買ったりして。

そして、慈眼寺ガーデンマーケット、コイキナフリマ。
初出店さんの、熱の入れようがすごかった。


来年の春までには、店とネット用の本たちを整理しよう。
そして、4月の東京古書会館の大市で、好みの本を思いっきり落札しよう。



  

Posted by Kosho Liset at 06:21Comments(0)ご注文品

2009年12月27日

選ばれた本たち

[書名] 文学に見る日本の川 多摩川
[解説] 函 初版 B六
[著者] 瀧井孝作
[出版元] 日本週報社
[価格] 秘密
[刊行年] 昭和35

[書名] 自然読本 魚
[解説] 表紙小印有 初版 A五
[著者] 瀧井孝作 他
[出版元] 河出書房新社
[価格] 秘密
[刊行年] 昭和55
[お届け先] 岐阜県

2冊の共通点は、瀧井孝作。瀧井の故郷の資料館からの公費注文。




瀧井孝作は、相当の刊行があったから、それらを蒐集するのは、難儀な作業だと思う。
自分の店から2冊選ばれ、その本は末永く保管される。
こんな注文は、金額に関係なく嬉しい。

未だに、本を商品と思うことが出来ない。

ネット注文でのやりとりも、「その本をお譲りいただきたい」「本日、発送申し上げます。
2日後には、お渡し出来るかと存じます」と、お客さんもまた、本を商品とみない方もいら
っしゃる。

家具再生の職人さんの日記に、それを「嫁がす」と書いておられた。







  

Posted by Kosho Liset at 07:17Comments(0)ご注文品

2009年12月26日

鹿児島書店考-序

鹿児島で古書店を営んでおられた「庄内書店」さんのブログに、鹿児島の新刊書店の事が書かれています。

『海鳴記』 http://blog.goo.ne.jp/boat-swain

先日、書いた「ブックジャングル」の事も。
プロが本棚をレイアウトしているから、ついつい棚を端から端まで見てしまうし、少しゴタゴタ感があり、それが本好きには受けていた。
庄内さんは、ブックジャングルの閉店には『案の定』と書いてありましたが、古本屋同士の飲ん方でも、そんな話しはしていたように覚えています。(ホント、懐かしいです)

春苑堂、金海堂、吉田書店、そして、この3つの書店に挟まれているようにあった開文堂書店。その近くには徳田屋書店と。お店をぐるぐる廻り、本の背表紙を見るのは楽しかった。

開文堂書店は、自分が高校の制服を着ている頃、女子校の制服で店番をしていた女の子がいたから覚えているのではなく、数年前、1万冊を超える買い取りで、『昭和40年~50年 開文堂書店 月 20~30万』と驚くような請求書が、沢山本の中に挟んであったので、忘れていた記憶がよみがえっただけです。へぃ。

新刊書店と、古本屋については、「街の古本屋入門」を書いた志田三郎さん(もちろんペンネーム)は「同業者ではない、まして、兄弟でも親戚でもない」と断言している。(この文の説明は、いずれ又。)
しかし、商売である以上似たところもある。

新刊書店が姿を消した理由が何だったのか。
経営の中身は分からないので、正確な理由なんか無理だとは思うけど、古本屋を始めたとたん、「ひょっとして、アタシはあの新刊書店と同じ目に遭っているのでは」と思ったからである。いずれアタシも姿を消すのではないかと。

実際、谷山地区だけで3店舗の古本屋(らしき店も含めて)が開業したが、2ヶ月程であっさり閉店した。そのうち1店舗は、開業の本は東京の古本屋から分けてもらったそうで、そのわりには良書がほとんど無く数ヶ月で底をつくと思い、古書組合の話しもしたが、店主さんは気が進まなかったようだ。



新刊書店は、鹿児島に県外の大手書店が怒濤のように入ってきた。海鳴記にもあるけど、ジュンク堂さんのインパクトは本当に大きかった。さらに、来年は「マルヤガーデン」に大規模な増床を図るそうだ。もう天文館には、ライバルが入り込めない。
地元の新刊書店は、結局、教科書販売の利権だけになったような感がある。


古本屋とて、リサイクル書店が次々と店舗展開がある。鹿児島のリサイクル書店の数は、全国でも群を抜いて多い。それが、読書の底上げになれば喜ばしいが、その実感はない。

リサイクル書店の創業者が、「古本屋ではない」と言っていた。古本屋も又リサイクル書店とは違うと思っている。決定的に客層が違うから。
リサイクル書店で本を買う人は、まず古本屋では買わない。これは厭というほど経験した。
鹿児島のリサイクル書店の多さは、古本屋を利用する数が、いかに少ないかの証明である。

3日に1人のご来店と書いてる。その1人が買うことが希なため、1週間の店売り0円にほとんど慣れてしまい、以前「日本一暇なレジがいる店」と豪語したが、もう世界一かも。



『ガンバレ鹿児島・男性編 高城書房編集部 編 高城書房』
庄内書店さんが書かれた、鹿児島の書店事情がここに書いてありますので読んでください。



「インターネットで古書の販売をしなさい」が先輩古本屋のアドバイスだった。
それが、ずっと続いていると「なぜ、お客さんが来ないのか。買わないのか」と疑問が膨らんできて、時々の来店客との少ない会話から、いろいろと思う事がある。
鹿児島の読書事情とか、鹿児島の風土までも。
良書さえあれば、インターネット販売と店売りが両立出来ると解釈していたが、散々たる店売りは「インターネット販売で、鹿児島を無視しなさい」とさえ思えてくる。

敵は己にありではなく、何か抗しがたい大きな物が目の前にある。それを知りたいのですよ。






  

Posted by Kosho Liset at 07:35Comments(1)古本屋の視線

2009年12月25日

Kosho liset

福岡に「喫茶リゼット」というお店が、30年と少し前にオープンした。

マスターは、オープンデッキでFM放送を録音するのが趣味で、大阪万国博覧会での「ジョージ・セル クリーヴランド管弦楽団」実況ライブまでも持っておられた。
モーツアルトの交響曲40番のライブは、 CBSソニーのレコードと比べ、それほど変わってはいなかったが、やはりライブである。少し熱があった。
万を超すオープンリールは、クラシック音楽ファンとしては、貴重な資料と言って良いような感じもする。

ザルツブルグ音楽祭で、ギドン・クレーメルがデビューした時のバッハとか。カラヤン指揮の、ブルックナーの交響曲5番がベルリンフィルで、一週間後のシュベッチンゲン音楽祭では、同じ曲をウィーン・フィルでと…。きりがない。
マスターご自慢の、真空管アンプとタンノイスピーカーで聴かせていただいた。

古本屋の名前は、リゼットにしたかった。当時の友人たちと、喫茶リゼットで楽しく音楽を聴いてた時間を、そのまま古本屋に持ち込みたかったので。








リゼットの意味は、インターネットのお客さんには、このように書いています。

『リゼットは、古くからフランス地方で歌われていたメロディーです。
ハイドンの交響曲85番「王妃」の2楽章に、このリゼットのメロディーが使われています。
また、元気で明るい女の子という意味もあるそうで、絵本児童書を扱う古本屋に良いのではと思い、古書リゼットと名前をつけました』と。


  

Posted by Kosho Liset at 11:20Comments(0)古本屋の視線

2009年12月23日

山形屋の社史

[書名] 明日の日本水産業
[解説] カバ 見返小印有 初版 A五
[著者] 中楯興 吉木武一
[出版元] 海文堂
[価格] 秘密
[刊行年] 昭和53
[お届け先] 東京

「社史」編纂の資料としてご注文。会社の歴史の事。



古本屋にとって、産業の資料も大事なジャンルになる。
今まで社史とのご縁はそう多くはないけど、広島県内のバス交通史とか販売した記憶がある。

会社でなくても、団体とかそういった記念誌的な刊行はたくさんあって、「また出会ってしまった」と言いたくなるほど出回っているのもあり、その内容次第では、トイレットペーパーに変身させた方が良いと判断する事も多々。



生産量や、輸出の数字の羅列は、専門家にとっては嬉しいでしょうが、映画会社とかファッション会社、自動車会社などの社史は、写真を見るだけで楽しいのもあります。

鹿児島の社史で楽しいのは、『山形屋二百十七年 創立50周年記念 昭和43年刊行』『山形屋247年 株式会社設立80周年記念 平成10年刊行』



山形屋デパートの社史は、懐かしい写真がたくさん載っていて、天文館の歴史も含め、読むには人それぞれの懐かしさや、思い出がくっついてくると思います。

「日本の古本屋」では、どの古本屋も高い価格になっています。

  

Posted by Kosho Liset at 08:06Comments(0)ご注文品

2009年12月22日

ご先祖様は誰

[書名] 東襲山郷土史 増補版
[解説] 表紙補修紙
[著者] 新穂彦熊編
[出版元] 姶良郡東襲山村
[価格] 秘密
[刊行年] 昭和9
[お届け先] ご来店

東京から里帰りの方が来店

ヤフー百科事典によると、『鹿児島県北東部、霧島山の南麓、姶良郡にあった旧町名(霧島町)。現在は霧島市の東部を占める。1935年(昭和10)東襲山(ひがしそのやま)村が霧島村と改称。1950年(昭和25)重久(しげひさ)地区が新たに東襲山村(現国分市)として分村』



昭和9年刊行増補版。元版は、手書きか謄写版だったそうだ。
西南戦争の先祖の記録(『薩南血涙史』)を探す目的で来店されたが、この資料も長年探していたそうで、本も嬉しいことでしょう。

お客さんの先祖は、田原坂の記念碑にその名前が記されているそうだ。名前が残ったのは、言い方が悪いかも知れないが、幸運だったと思う。
私の祖先は、宮崎県の京町あたりで西郷軍から脱落し、そこで生活を続けたようだ。
だから、資料は全く無い。

『鹿児島県史料 西南戦争』には、西郷軍への寄付目録は長々書いてあるが、戦争に行った名簿は無い。
鹿児島県の市町村誌には少し名簿の記録があるが、全体像はよく分かっていないようだ。
先般、熊本で名簿が見つかったと報道された。書籍になっているが非売品のため手に入りにくい。

出自が気になる。そんな年齢になってしまいました。




  

Posted by Kosho Liset at 08:40Comments(0)ご注文品

2009年12月21日

職業病?

娘が、サンタクロースへの手紙を書き終えた。どうしても観たい映画があると。

サンタクロースがレンタルDVDを枕元に置くと…。かなり考えたがやめた。

早速、かあちゃんとブックスミスミさんへ走る。(古本屋が新刊書店さんに入るのは、鹿児島県条例に抵触しないようだ)
DVDは、3本買ったら3000円コーナーにあったのでホッとする。アタシとかあちゃんの好きなのを1本ずつ買う。

そのまま書籍コーナーへ。







アタシたちに「買ってね」とばかり置いてあった。
新刊本を買うスピードは速い。金に糸目はつけない。

なのに、定食屋の「焼魚定食 650円」と「魚フライ定食 600円」の50円差には悩む。
メニューを前に、人生の不条理をも考え込む。


働らけど働らけど…じっと手をみる 啄木とアタシ

  

Posted by Kosho Liset at 07:51Comments(0)古本屋の視線

2009年12月20日

カバーの欠けた本

[書名] 綴方作文の先覚 峰地光重
[解説] カバ欠 天小口埃シミ少線引 初版 B6
[著者] 佐々井秀緒 峰地利平
[出版元] あゆみ出版
[価格] 秘密
[刊行年] 昭和59
[お届け先] 埼玉県

カバ欠とはカバーの無い事。画像は扉頁です。(表紙を捲ると、白紙の見返頁、その次の書名や作者名がある頁の事)

本の「見て呉れ」でなく、中身が良いと思えば、カバーや函がなくてもご注文があります。



古本屋の本は、すべて蔵書家からの買い取りだから、誰から買ったのかは結構記憶に残っている。

この本は、6年前の京都であった古本市で落札。桜が満開で、熊本の古本屋さんと一緒に楽しく飲んだ思い出があります。市場の会場で、熊本の古本屋さんが教育書一山を指さし「(落札価格が)そんなに高くないよ」とこっそり教えて下さった。京都のある大学教授の膨大な蔵書でした。



[書名] 初級構造力学の解き方
[解説] 裸本 初版 A五
[著者] 渡辺耕策
[出版元] 昭晃堂
[価格] 秘密
[刊行年] 昭和34
[お届け先] 宮城県

こちらもカバ欠のため、扉頁の画像。
いつもお世話になっています、宮城県の常連さんからのご注文。



実は、長崎の造船所で働いていた伯父さんの蔵書。
やや、複雑な気持ちになります。


  

Posted by Kosho Liset at 08:27Comments(0)ご注文品

2009年12月19日

幻の文庫本

[書名] 新カンタベリー物語 創元推理文庫 539‐1
[解説] カバ 初版 文庫
[著者] ジャン・レー
[出版元] 東京創元社
[価格] 秘密
[刊行年] 昭和61
[お届け先] 山口県

店舗改装のため、文庫本と新書もほとんどツブシた。(古本屋用語です。
ちゃんとリサイクルはしております)

少し残していた文庫本にご注文。



幻想文学も含め、SFといったジャンルは旬を競うところがある。
刊行を急ぐため、こんなこともある。



『蛾』ロザリンド・アッシュ 工藤政司 訳 サンリオSF文庫 1979年初版

少し前までは、「幻の文庫本」と。「日本の古本屋」ではかなり相場が落ちて
いるけど、それでも、1冊3000円~5000円。

で、何で文庫本1冊がこんな値段なのか。



世界中の本の歴史でも、こんな誤植はないから。

鹿児島市内の、とてもセンスの良い本ばかり読んでおられる読書家さんから、
買い取りの時教えていただきました。

笑えないと言うのか、凍り付くような、たった1文字のSF。  

Posted by Kosho Liset at 09:49Comments(0)ご注文品

2009年12月19日

電子書籍

電子書籍が日本でもどんどん普及するだろう、というニュースが出ていた。

今でもインターネット利用が多いのだから、電子書籍は以外とすんなり受け入れられると思う。

そうなると、電子書籍派、新刊書店派、図書館派、古本屋派などと客層は今まで以上に明確に分かれていくような気がする。(当たり前だけど2つ以上の派を掛け持ちする人も多い)

古本屋派や新刊書店派は、書名や数頁読んで気に入ったら、買わなきゃ気が済まないところがある。

俳優の児玉清さんのエッセイ『女房質に入れてでも』は、仕事がない若い頃、どうしても欲しい高価な本がありローンで買った。それが奥さんにばれてしまい、問いつめられた言い訳についうっかり言ってしまった言葉だったそうだ。
愛する奥さんを質に入れてでも、本が欲しいという事だけど…。児玉さんは、今でもご存命なので無事収まったようで。

「日本の古本屋」には、古本屋だけが参加できる掲示板があるが、本の注文を受け発送したけど、返品された。そこに「二度と本を送らないで欲しい」と。しばらくすると注文主から「何故、本を送らないのだ」と怒鳴られてしまった。
夫婦の間に挟まれてしまい大変だったと、ある古本屋さんが書いてあった。

買わなきゃ気が済まない人にとって、本の置き場所なんかあっという間に無くなってしまう。
10年前から古本の買い取りを始めているが、家屋が本によって危ない状態にあった所を2回経験した。その1カ所は、窓のサッシが歪んでしまい、それが幸いにも空気の入れ換えがあって、本が湿気でやられておらず無事だった事もあった。
書店は、このような読書家に支えていただいている。


読書離れについては、そのデーターは信用していない。
何せ、昭和40年代には「(テレビのため)本を読まなくなった」とか、古くなると、大正時代の古本屋機関誌にも、「本を読まない。なんたる事じゃ」と書いてある。
いつの時代でも、読む人読まない人はいるのだから、問題でないところを問題にしている気がする。
だから、電子書籍から読書好きのきっかけになれば、底辺の拡大が期待出来る。


そして、電子書籍が古書の復刻まで入り込む事については楽観している。



『澁澤龍彦集成 全7巻 桃源社 昭和45年 』

これが、電子書籍で復刻されたとしても、ただテキストとして読めるかも知れないが、装丁が見ることが出来るのだろうか。
たとえ、本の形に見えるようになっても、野中ユリの装丁を忠実に再現できるのは不可能である。

『紙質』。

これだけは、どう頑張っても電子書籍には出来ない。
そして、古本ファンはこれが好きで買うのであるから。

本が出来た、その時代を映し出しているのが、また本の特長でもある。その本が醸し出す雰囲気や香り(カビ臭も含めて?)は、現物しか無理なのである。



本は、古くなり背表紙や小口が焼けたりすると、貫禄がついたような気がするのは古本屋だけだろうか。
新刊書店の本は、綺麗すぎて頼りないから、「悔しかったらヤケてみろ」と言いたくなる時もある。(これは冗談。良い本はすぐ買いますので)



  

Posted by Kosho Liset at 05:35Comments(0)古本屋の視線

2009年12月18日

川内史談、大隅史談

[書名] 千台 第10号 薩摩の国府と国分寺 他
[解説] A五
[著者] 川内郷土史研究会
[出版元] 川内郷土史研究会
[価格] 秘密
[刊行年] 昭和57
[お届け先] 埼玉県

ブログのカテゴリーを「県外へ送る鹿児島郷土誌」と増やそうかなと思う。
この一週間に、鹿児島県内の埋蔵文化財発掘調査報告書も2冊注文があったので備忘録として。

だけど、問題や物事を先送りすることに天才的な才能のあるアタシにとっては、難題かも。




「薩摩の国府と国分寺」「高城郷士山門氏の出自考」「樋脇郷古絵図二点」など。
他の号には、「12号 山坂達者の子供たち」「13号 島津のにせ金(290万両)作り」
「9号 市来駅跡今昔見聞記」とか面白いテーマが沢山ある。


個人商店秘密だけど、「大隅史談会誌」は県外からの注文が結構ある。



昭和29年の創刊号。表紙の絵はどなたなのか、とても良い。

昭和32年は、「大隅 第3号 5周年記念講話 『平泉澄.歴史は曲げられた』」
歴史家の平泉澄を鹿屋に招いて講演会を開催している。その速記録。

それがあってか、昭和38年には、「大隅 第9号 幕末期大隅に於けるアジールの痕跡 他」
と平泉澄大先生の歴史観そのもので、大隅史を書いてる。(第9号は売り切れの為画像無)

伊能忠敬が、大隅半島の測量エピソードがあった号も、すぐ注文が来た記憶がある。


※アジール=歴史認識の方法。平泉澄がヨーロッパの思想を取り入れ、日本史を構築した。

一昨日書きましたラ・サール学園の永山先生が、数年も前ですが、お店に来られウン万円
もお買いいただき、さらに、このアジールについて無料講義もしていただきました。
これ、古本屋の特典です。

平泉澄から、網野善彦らに続く日本史家のエピソードも楽しく拝聴いたしました。



  

Posted by Kosho Liset at 05:29Comments(0)ご注文品

2009年12月17日

定価のない本

[書名] 特許植民会社制度研究 上下2冊 経済資料第10巻3号4号
[解説] A五
[著者] 南満州鉄道
[出版元] 東亜経済調査局
[価格] 秘密
[刊行年] 大正13
[冊数] 2冊
[お届け先] 滋賀県

定価のある本、ISBNがついている本は、さほど面白味がない。このように定価のない冊子と
いったものが好きである。あるいは紙切れとか。



もちろん、この冊子に定価があったとしても半額にはしないどころか何千倍、何万倍の
価格をつける。

古本屋同士の飲ん方の時に出た話。
新聞記者の取材で「この店の本の値段は、だいたい定価の何割引か」と聞かれ、早速、
大喧嘩になったそうな。

「2008年の経済はこう予測する」は賞味期限切れ、「2009年の運勢本」はあと2週間の命。
実は、本には賞味期限がある事が結構多い。「チーズはどこへ消えた」なんかはリサイクル
書店に、105円でウンザリするほど出現している。

結局、古本屋が古本として残す本は、ISBNなど無い本になってしまう。
「世界怪物怪獣大全集」という雑誌に何万円も値付けしたり(最近復刻されたザンネン!!)、明治
の双六や、大正昭和初期の子ども雑誌の付録に1枚3万円と値付けすることもある。

そんなものが多いから、定価の何割引なんてとても答えられない。
古本屋を営むと、それは当たり前なんだけど、分からない人には分からない。

デパート催事では、定価と古本価格のことで、しばしば「サギ師か」と言われていた。

こう言われるのも、古本屋の仕事のうちなのだろうけど「当たらずとも的当り」の気持ちにも
なってくる…?



  

Posted by Kosho Liset at 05:06Comments(0)ご注文品

2009年12月16日

鹿児島の郷土誌

[書名] 鹿児島県史料 新納久仰雑譜 一 二 2冊
[解説] 二は函欠 付月報 A5
[著者] 鹿児島県歴史資料センター黎明館
[出版元] 鹿児島県
[価格] 秘密
[刊行年] 昭和61
[冊数] 2冊揃
[お届け先] 愛媛県

薩摩藩家老「新納久仰」の日記資料。また、鹿児島の郷土誌を県外に渡してしまう。



是非書きたいことがあったのを忘れていました。

平成21年11月16日付南日本新聞3面の「論点」。
客員論説委員の永山修一先生が「歴史の多様性にこそ注目を」の題で書かれた事です。

廃藩置県で、鹿児島と宮崎との関係から鹿児島県本土と奄美の関係などありましたが、鹿児島
の歴史を、その多様性を単純化しているところがあるのではと、提言されました。

古本屋ごときが、永山先生に「よくぞ書いてくれました。スゴイ!!」と、声をあげるのは「余計なお世話」だと重々存じておりますが、鹿児島の歴史の見方に、意見を言う方が本当に少なかったと思います。
また、前回の論点には、鹿児島県の公式記録「鹿児島県史」の見直しが必要ではとも書かれておりました。

鹿児島の歴史については、その解釈はいろいろあっていいはずですし、学校の授業のせいなのか、何故か単一的になっているのが現状だと思います。
県外の古本屋から、「鹿児島は西郷さんエライで話しが終わってしまう」と言われた事がありますが、これこそが鹿児島の大きな問題だと思います。


鹿児島の郷土誌を、ほいほいと県外に売りさばく古本屋だけど、やはり、鹿児島は気になる。

  

Posted by Kosho Liset at 05:56Comments(0)ご注文品

2009年12月15日

海外へ行ってしまう本

[書名] 高村光太郎の人間と芸術
[解説] 函全体ヤケ有
[著者] 吉田精一 編
[出版元] 教育出版センター
[価格] 秘密
[刊行年] 昭和47
[お届け先] 海外



インターネットだから、海外からの注文はあるけど、今回は、東京の中文書
(中国の書籍の事)専門の新刊書店さんが仲介して下さったようだ。

古本屋にとって売れ筋だった戦記物と文学は、今となっては売れない代表格
になってしまったので、文学評論は有り難い。

つくづく、英語の勉強をしていたら良かったと思う。翻訳ソフトに頼ると、
「ドングリの疲れが下に落ち、今日の悩ましくも美しい電信柱の愛が国会で浮き上がる」

日本語の勉強も足りないのかな…。

  

Posted by Kosho Liset at 10:06Comments(0)ご注文品

2009年12月13日

店舗改装

lisetのホームページに、少しだけ店舗の様子を紹介いたしました。

http://www3.synapse.ne.jp/liset/

シャンデリアは「生活雑貨の店 KINENBI」さん。

昨日のKTSテレビ「ナマ・イキVOICE」で、そのヨカニセぶりを充分出してた「六花窯」さん
からは、かっこいい本立て付の棚。

ジャポニカ・セブンさんからは、かわいらしい本棚を。(先日、「ウルトラ処分」という名の
何でも屋さんと知り合いになりましたよ)

そして、Kosho Lisetを古書店ともう一つの顔に導いて下さった「更紗屋雑貨店」さん。

他にも、改装でお世話になった方々が沢山いらっしゃいます。
本当に皆様のおかげです。有り難うございます。

あと、オーニングやドアを選んだら改装が終わります。




だけど、本の整理だけはエンドレス…。(難儀やのぅ~)









  

Posted by Kosho Liset at 12:31Comments(0)古本屋の視線

2009年12月13日

新刊書店で

飲ん方で天文館へ。

古本屋が、新刊書店に行ってはいけない法律はないのでジュンク堂さんに入る。

沢山の欲しい本がありましたが、飲ん方の荷物にならないように2冊だけ。





普及版なのでカバーと帯付の軽装スタイル。
やっぱり本好きならば、初版の函帯付きがかっこいいので、そちらが欲しいと思うけど
「日本の古本屋」サイトで見たら、2万円が相場のようです。

以前、天文館の林田ホテルにあった「ブックジャングル」がオープンした日に行きました
が、その本棚にビックリしました。
取次店(新刊書店の問屋の事)の返品分とか、長期在庫と思える本が、沢山並んでいたの
で5万円ほど買いました。その中には、定価で買っても定価以上で販売できる古本相場の本
もありました。
そのために買ったわけではないけど、新刊書店でセドリしたのは初体験でした。

※ セドリ-古くは大正時代あたりから続く古本屋の仕入方法。他店の本棚にある値段を安
 く付けている本を買い、自店で高く販売し利益を得る事を言う。

  

Posted by Kosho Liset at 09:48Comments(1)古本屋の視線

2009年12月12日

詩集

[書名] ベトナムの詩と歴史
[解説] 函 初版 B6
[著者] 川本邦衛
[出版元] 文藝春秋
[価格] 秘密
[刊行年] 昭和42
[お届け先] 静岡県



観光パンフのような装丁だけど、かなり詳細な内容の本。

音楽好きが、音楽の本を読むようになり読書の楽しさを知った。
クラシック音楽の評論は形容詞だらけで、しかし現代音楽の評論は面白く読んでいた。

ジャズ評論は凄みのある人が多く、「非時と廃墟そして鏡 間章ライナーノーツ 1972-1979」
を書いた「間章」の文章フレーズは今でも忘れられない。
大事に持っていたけど、古本屋を始めてすぐ売ってしまった。それから、県外の市場で一度
目にして落札したが、月末の健康保険支払いなどのため、これも販売してしまった。
鹿児島でこの本を持っておられる方に出会えるだろうか。

音楽を聴く事と、読書(行為)は似たところがあると思っている。
作家と受け手の関係で成り立つものだから。
特に詩集は、読者しだいで作品の価値が変わる。


そこらへんの事を、鹿児島のデザイン事務所、Juddさん(http://www.judd.jp/)のフリーペーパー紙
「JUDD」に少し書かせていただいたので、フリーペーパー紙を読んで下さい。

実は、作家や作品を考える事は=「(結論のない)自分探し」だと思っています。
「繰り返し」聴く、読むのは本当に楽しいものですよ。

そして、それに応えられる作品に出会うためにも…。
  

Posted by Kosho Liset at 08:12Comments(0)ご注文品

2009年12月09日

なかなか…です

続けて2件の電話があり伺う。

1件目、「奄美史談・徳之島事情」「奄美大島に於ける家人の研究」とか久しぶりに奄美関係を目にするが、残念ながら多数の線引きと書き込みのため、買い取りは不成立。

家主さんは、奄美関係の本や資料を知り合いに差し上げたそうで、残っているのが百科事典や文学の復刻版といった古本屋としてはどうしようもないものばかり。しばらく、古本屋の欲しい本の講義をさせていただく。
古本屋が欲しいものを処分して、欲しくないものばかり取っておくと、本当に良くあるパターンでした。
(これを、ガソリン代損した買い取りといいます)

2件目、家の解体工事前で期待したけど、俳句の雑誌とか自費出版の俳句本が山ほどある。これもまた古本屋としてはお手上げで…。
紙類を見ると、未使用の切手が出てくるので家主さんと一緒になって探す。

少し、雑誌が出てきたのでいただいて帰る。



昭和30年代半ばの「雑誌 服装」の別冊付録5冊。
写真が秋山庄太郎、デザインが君島一郎とか一世を風靡した名前が出てくる。

持ち主さんは、相当の俳句好きでこちらもまた、古本屋の欲しいのを処分されたご様子でした。

明日こそは良い本と出会えるように、願い続けて10年間……なかなかです。


  

Posted by Kosho Liset at 06:57Comments(0)古本買取日誌

2009年12月08日

薄化粧の本

[書名] 琉球学の視角
[解説] カバ 扉頁黄ばみ有 初版 B6
[著者] 小島瓔禮
[出版元] 柏書房
[価格] 秘密
[刊行年] 昭和58
[お届け先] 千葉県

扉の頁に少し黄ばみがある程度。カバーに日やけや汚れがある時は、
パラフィン紙をかける。



このように、薄化粧をしたような感じ。

文学とか、もともと付いてたパラフィン紙(元パラ)があるかないかで、
本の状態を表記する事もあります。

「帯付」「帯欠」は良く知られていますが、汚れていても「元パラ」が
ある本が欲しいと言われるのは、かなりのマニアさんです。

沖縄に関する本は本当に人気がある。東京に沖縄専門の古書店もある。

それに比べ、鹿児島の郷土誌は…難しい
そこら辺の話しは、またいつか。  

Posted by Kosho Liset at 07:44Comments(0)ご注文品

2009年12月05日

コイキナフリマ 明日です

昨日は、半日かけみんなで会場の片付けと掃除をしました。

良い雰囲気になりましたよ。

林ビルの住所は、照国町2-11です。会場が分かるまでは、非常に分かりにくいようで。
あと、駐車場は林ビルの裏側にも大きなコインパークがあるそうです。



lisetは、広重の木版画を20枚ほど持っていこうと思います。
詳細は、お尋ね下さい。

本は、ただ今考え中ですが、良い本なんだけど線引きのあるものを持っていこうかな
思っています。
あと、洋書絵本を少々。

そして、NEST COFFEE さんのブレンドコーヒーをお預かりしますので、お楽しみに。

それでは、明日お会いしましょう。  

Posted by Kosho Liset at 08:46Comments(0)古本屋の視線